パリ国際サロン/ドローイング・版画コンクール 報告
第28回パリ国際サロン報告 / 受賞者一覧
「第28回パリ国際サロン」は、2014年11月21日(金)から26日(水)まで、パリ3区ヴォージュ広場にあるギャラリー・デュ・マレにて、11月28日(金)から30日(日)まで、同3区のロフト・セヴィニェにて開催された。
ロフト・セヴィニエ
芸術色深まる11月のパリにて独自のスタイルを展開し続ける本展
オープニングで賑わうマレ外観より
邦人作品138名181点(内、個展部門9名42点、ドローイング部門45名45点)、本展会長ザッキ氏の作品を含め仏人特別招待作品3名3点の展覧は、歴史的サロンの開催等で、芸術色が深まる11月のパリにおいても独自の感性を放ち、アートに通じる現地美術愛好家を魅了した。
ザッキ、ロワリエをはじめ欧美代表作家や愛好家が集ったマレ
ギャラリー激戦区のヴォージュ広場内において信頼のおける一流ギャラリー、ギャラリー・デュ・マレには、個展部門作品が中心に展示された。個展部門には9名が出品し、優れたテクニックと独自の世界観で来場者を魅了した。
11月22日(土)のべルニサージュでは、ザッキ、ロワリエをはじめ多くの欧美を代表する仏人作家たち、そしてマレの顧客たちの他、雑誌広告、web広告を観た新しい愛好家、コレクターが多く来場。欧州美術クラブ代表馬郡が来場者を迎えた。
マレの前にはレッドカーペットが敷かれ、
深夜までコレクターや愛好家で賑わった
夜遅くまで歓談する人が途切れる事無く、また来廊者は熱心に絵に見入り、新たな広報の効果を感じさせる夜となった。
ピカソ美術館至近に佇む自然光差し込むスタイリッシュな会場 セヴィニエ
メイン会場のロフト・セヴィニェでは、欧美独自のスペーススタンドを活用した、多彩な技法による現代日本作家の個性美あふれる空間が作られた。
近隣のピカソ美術館やカルナヴァレ美術館と併せて芸術鑑賞する来場者が多く見られ、日本文化に興味があるという人から、展覧会の開催を伝え聞いたという人まで、いずれの来場者も作品から日本の精神性を敏感に感じ取り、日本人独特の色彩やモチーフ、繊細で洗練された仕事を高く評価していた。
ロフト・セヴィニェでの28日(金)のベルニサージュには、冒頭にル・サロン名誉会長並びにパリ国際サロン会長ジャン・マリ・ザッキ氏より参加作家へ歓迎の辞が述べられ、シャンパンで開会を祝った。続いてザッキ会長と仏画壇第一線で活躍するミシェル・バテュ女史による寸評会が行われ、1人1人の作品を前に、今後の制作のアドバイスを交えた丁寧な寸評が送られた。
惜しまれながらも大成功の内に終了
「第28回パリ国際サロン」は30日(日)に惜しまれながらも大成功の内に終了した。会期中30号作品が買い上げとなり、販売の為12点がギャラリー・デュ・マレに委託された。今後これらの作品はパリ、サン・マロを中心に展示紹介される。パリにおける唯一の邦人作品サロンとして、次回展の更なる発展が期待される。
2014年 第28回パリ国際サロン 受賞者発表
大 賞
大 賞 : 倉数 和文 「ランプの光に照らされた裸婦」水墨画 107×78
ザッキ賞
ザッキ賞:岡崎 光望「Night Mare II」ミクストメディア 50×70
ロワリエ賞
ロワリエ賞:奥田 雪月湖「高千穂」水彩 60.6×72.7
ロジェ・ブイヨ賞
ロジェ・ブイヨ賞:千代 晃也「池のある風景」油彩 117×80
ギャラリー・デュ・マレ賞
ギャラリー・デュ・マレ賞:永名 ニ委「雨後」水墨 90×78
浮世・絵賞
浮世・絵賞:陣内 里美 「鳥の居る風景」日本画 75.4×93.7
浮世・絵賞:齊藤 修平 「無題」油彩 90.9×116.7
浮世・絵賞:佐藤 喬「エコロジー・ジャパン’10 «藻» No.2」アクリル・箔 91×91
優秀賞
優秀賞:小島 光宏「瀬戸田の風情」木版画 80×98
優秀賞:内藤 千春「Another World」ペン 65×50
優秀賞:清水 朱舟「幻の清雅」工芸(染色/正絹帯地)83×47.3
賞審査員
●ジャン・マリ・ザッキ(ル・サロン名誉会長/パリ国際サロン会長/NEPU会長/レジオン・ドヌール勲章受章)
●ロジェ・ブイヨ(美術評論家/新エコールドパリ浮世・絵美術家協会初代事務総長)
●エルベ・ロワリエ(サロン・ビオレ名誉会長/フランス教育功労章オフィシエ)
●ポール・フランス・ルチアニ(ギャラリー・デュ・マレ代表)
●馬郡 まりこ(欧州美術クラブ代表 審査アドバイザーとして参加)