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アトリエ訪問レポート

ミシェル・バテュ女史 アトリエ訪問レポート

2014年「第28回パリ国際サロン」「ル・サロン」を訪れた参観団は、11月29日(土)に、フランス国内外で活躍する画家のミシェル・バテュ女史のアトリエを訪問した。

写実とイマジネーションが交差する風景画が高い評価を受ける同女史のアトリエは、パリ・モンパルナスのアパルトマンの最上階に位置し、2面あるテラスからは、高層ビルの立ち並ぶ現代的なパリの姿とノートルダム大聖堂やパンテオン、煙突の並ぶ古い家々といった古き良きパリの姿を一望できる。

そこにはバテュ女史の描く様な澄み渡った青空が広がり、この風景もまた彼女の創作の源となっていることが伺えた。

パリはもちろん、チュニジアやバリ、カリブ諸島の風景をもとに描かれた作品が多く見られる(今年のル・サロン展には香港の湾を描いた作品を出品)。
アトリエのパレットには整然と色が並び、透明感ある色彩を作る為には清潔なパレットが不可欠という彼女は、毎日掃除を欠かさないという。
また使用した筆はホワイトスピリットで洗った後、マルセイユの石鹸と水道水で洗う等、フランスならではの洗い方も教えてくれた。
そのように洗った筆は、時間がたっても固くならないそうだ。

更に、彼女の作品の代名詞である空を描くにあたり要となるグラデーションの作り方を実演。並んだ2つの色が途切れてしまわないよう細心の注意を払うという彼女は、色が乾ききらない内に扇形筆で丹念に境界をなじませていく様子を参観団も熱心に見つめていた。画面内の空、雲、中景、前景の各要素は3日間色が乾くのを待って、じっくりと描き上げて行く。

バテュ女史の作品に伺える繊細で丁寧な仕事を惜しげも無く伝授してくれ、彼女の温かい人柄と、制作に対する誠実な姿勢を感じさせる、非常に充実したアトリエ訪問となった。

ミシェル・バテュ Michèle BATTUT

パリ生まれ。元ル・サロン絵画部門責任者。
1962年 グランド・ショミエールのジャン・オジャムに師事
1967年 モントリオール万国博覧会参加
1971年 カーサ・デ・ベラスケス賞受賞
1973年 サロン・ドトーヌ会員、ル・サロン会員
2003年 フランス海軍公認画家に任命される。
サロン・ドトーヌ新人賞、フランス学士院よりロシュロン賞、
ポール・シャパ賞、ル・サロン名誉賞等受賞多数。
現在ル・サロン、コンパレゾン展を中心に多方面で活躍。

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