日本・フランス現代美術世界展関連
5度目を迎える国立新美術館での開催
国立新美術館にて開催
国立新美術館に会場を移してから5度目を迎えた本展は、去る2016年8月3日(水)~14(日)、東京の国立新美術館3A室にて開催された。邦人作家192名226点を中心に、フランスからはサロン・ドトーヌ作家の新作64点と、現役仏サロンで活躍中の重鎮作家12点、オランダ、アメリカ、中国作家による海外作品総計81点による、全307点による展観となった。
■第17回日本・フランス現代美術世界展
会期:2016年8月3日(水)〜14日(日)
会場:国立新美術館(東京 六本木)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
在日イタリア大使館/外務省
特別協賛:サロン・ドトーヌ
連日真夏日となった会期中には、昨年を上回る来場者が詰めかけ、動員数は約8,000人を記録した。
今回来賓として来日されたサロン・ドトーヌ会長シルヴィ・ケクラン女史、次回イタリア美術賞展関係者のアンドレア・バルトリ氏をはじめ、会場に訪れた多くのサロン・ドトーヌ作家、来場者達からも、世界から注目される建築物である国立新美術館に於いて、本展特色でもある多種別による豊かな展示構成、多国籍による異文化交流の実現に感嘆の声が次々と寄せられた。
会期:2016年8月3日(水)〜14日(日)
会場:国立新美術館 3A
時間:10:00〜18:00
主催:JIAS日本国際美術家協会
協催:欧州美術クラブ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
在日イタリア大使館
外務省
協賛:サロン・ドトーヌ
(株)大日本美術工芸マイメリ社日本総代理店
(株)クサカベ
(株)生活の友社美術の窓
フランスを中心に多国籍作品81点が展示された
8/3(水)のオープニングレセプション
(左より)アンドレア氏、リオッタ氏、ケクラン女史
集った140名の作家達と開催を祝した
初日の8月3日(水)には、講堂にて来賓のケクラン女史、バルトリ氏をはじめ、建築家でローマ国立建築研究所准教授サルバトール・ジョン・リオッタ氏、協賛会社ら本展関係者をむかえオープニングレセプションが開催。
集った140名と共に本展成功を願い、華やかに開催を祝した。
海外来賓とも意見を交わす場面が多く見られた
作家達も年に一度の交流の場として和やかに談笑した
関連イベントも多数開催
美しいシチリア島の景色やビデオなど、最新のメディア情報も紹介された
リオッタ氏によるシチリア島の歴史文化、アグリジェント県の紹介に続き、アンドレア氏による「ファーム・カルチャー・パーク」の紹介がなされた
参加した作家達へ記念のカードを贈呈するアンドレア氏
同日に開催された次回美術賞展開催地イタリア・シチリア関係者による講演会では、シチリアの歴史と文化について語られた。
開催都市のアグリジェント県は、古代ギリシャ植民地として栄えた時代の遺跡が現在もそのまま残された美しい都市であると結んだリオッタ氏に次いで、アンドレア氏は、氏が主宰する「ファーム・カルチャー・パーク」が都市再生戦略モデルとして設立されたイタリアの社会的背景や、未来の子供達に託すアートを介した一大プロジェクトである事などを紹介し、「国や人種など関係なく、人間は希望、期待、夢、課題を持つものであり、だからこそアートや文化は意味をもっていると私は信じている」と強く語った。同日、2015年開催の各展入賞者・出品者代表者へ表彰状、副賞等が授与された。
翌4日(木)には事前申込のあった作家へ寸評会が開催され、ケクラン女史、バルトリ氏、リオッタ氏を寸評者に迎え、出品作家ひとりひとりに熱心で実直な寸評が贈られた。本年は希望者が90名を超える最多数となったが、寸評者側も多大な熱意と準備をもって臨んだ。4時間以上にも及んだ会は、作家達による盛大な拍手で幕を閉じた。参加作家達からは、国際基準における自身の作品の評価と真摯に向き合う事ができ、今後の制作の糧となったという声が届けられた。
国際基準での自身の立ち位置を知りたい90名の希望作家が詰め掛けた
事前資料を熱心に調べ寸評を贈るケクラン ドトーヌ会長
3名の寸評者は海外から周到な準備で寸評会に臨んでいた。今後は事務局も当日無断欠席を減らす努力をしたい。
チャリティープロジェクト
また、本年も、東日本大震災被災地支援チャリティー「陸前高田の絵の好きなこども達へ画材を贈るプロジェクト」の一環として会場受付に設置された募金箱には63,000円が寄付され、高田市保育協会を通じてスケッチブック750冊が竹駒保育園等五ヶ所の保育所に贈られる(9月上旬予定)。
本展は大盛況のなか惜しまれつつも閉会した。
●本展覧会の図録を販売しております。過去の傾向をお知りになりたい方は参考になさってください。
>図録販売ページはこちら
●欧州美術クラブ公式facebookにて本展風景アルバムがご覧いただけます。
第17回日本・フランス現代美術世界展 アルバム
会場受付に設置された募金箱には63,000円が寄付された
高田市保育協会へ贈られたスケッチブック
多国籍の展示が話題を呼んだ
会場へ何度も足を運ぶケクラン女史
日本美を鑑賞するバルトリ氏とリオッタ氏
第17回日本・フランス現代美術世界展 入賞者発表
大賞
小野 功夫 「宇宙擬き」油彩 100×80.3
●大賞 受賞者インタビューはこちら
日仏賞
児玉 伸子 「母の面影 源氏物語 -胡蝶-から」油彩 73×91.3
上原 正治 「starlight」油彩 93×93
サロン・ドトーヌ賞
渡辺 順子 「peaceful day」日本画 93×74.7
山田 貴裕 「なにすんねん」ペン画 84.1×59.4
パリ国際サロン賞
宮向井 勇 「T路地のある風景」アクリル 94.1×75.9
畑 淳子 「窓辺の百合」アクリル/ミクストメディア 73×91
新エコールドパリ浮世・絵(NEPU)賞
大山 芳園 「白光」墨象 180×100
星野 晋作 「無題」ペン画 103×72.5
朋百香 「沈黙」墨象・アクリル 106×76
優秀賞
東條 裕志 「彫刻硝子花器 群虫図」工芸/ガラス20×20×28
榎本 幸子 「オカリナの響き」油彩 91×72.7
高田 墨山 「還嬰(かんえい)」 前衛書
審査員
ジャン・マリ・ザッキ 本展フランス側名誉会長兼運営委員長、ル・サロン名誉会長
新エコールドパリ浮世・絵美術家協会会長他
エルベ・ロワリエ サロン・ビオレ名誉会長、フランス教育功労章オフィシエ他
ロジェ・ブイヨ フランス美術評論家
シルヴィ・ケクラン サロン・ドトーヌ新会長
馬郡 まりこ JIAS /欧州美術クラブ代表 審査アドバイザーとして
特別賞 第17回日本・フランス現代美術世界展協賛賞
●マイメリ社日本総代理店、株式会社大日本美術工芸
【マイメリ賞】
「マイメリ・ クラシコ油絵具画箱セット」
岸 甫 「ゆうげの富士山」 油彩 60×73
村瀬 順子 「Melancholy」 油彩 100×80.3
小畑 敦子 「完成したら猫が飼えるパズル」 油彩 82.4×102
佐藤 穎 「記憶中の町」 油彩 100×80.3
●株式会社 クサカベ
【クサカベ賞】
「水性アルキド樹脂絵具/アキーラ6号 18色セット」
浅見 有紀 「雪女」 アクリル 60.6×72.7
東野 穂澄 「収穫祭」 アクリル 55×67
坂本 龍彦 「理圓院随心恵愛大姉」 油彩 73×104
●株式会社 生活の友社 美術の窓
【美術の窓賞】
「月刊『美術の窓』半年購読」
べい 米翔 「孤立」 顔料インク 89×70
望月 強 「春の桜」 油彩 100×80