受賞者インタビュー
第35回パリ国際サロン ユニベール賞:獅子堀 開
2022年4月14日~17日パリのエスパス・コミンヌにて開催された「第35回パリ国際サロン(2022)」で【ユニベール賞】を受賞された作家へ、ユニベール・デザール編集主幹による特別寸評が贈られました。
第35回パリ国際サロン2022
会期:2022年 4月 14日(木)~17日(日)
会場:パリ市3区 エスパス・コミンヌ
ギャラリー・デュ・マレ
受賞した獅子堀氏の作品展示風景
ジョセ ティボ氏とギャラリー・デュ・マレ代表ルチアニ氏と
第35回パリ国際サロン「ユニベール・デザール賞」受賞による副賞<作品寸評>
〜寸評〜 ジョセ ティボ
古ヴェネツィアの総督ドージェが根をはる都市の、塩を含んだ水面、そしてその動きに、強要することなく命を吹き込む様は彼女の能力を示している
ユニベール・デザール賞:獅子堀 開 「リアルト橋のたもと」 水墨 60.6×72.7cm
私たちの想像の中に存在する世界文化を象徴する場所、それは何世紀にもわたり私たちの中に反響と絶対的な驚愕をもたらす。
そのような場所の前に立った時、アーティストは、ただその風景だけでなく、彼らよりも前にその地にあったもの、歩いた人々と向き合い、より強く、アートの歴史が彼らから引き出した表現の連鎖すべてに向き合っているのだと気がつくのだ。
時に、宇宙の重力に抗うよりも、世界の端にある見知らぬ土地へと出会いを求める方が容易なこともある。
だが、獅子堀 開はまっすぐにリアルトに出会いを求めた。
この場所、この運河、この建物、ここを題材とした芸術作品は、しばしば議論の対象となり、虚偽を許さず、美的、概念的誤りを明らかにする。
しかし、獅子堀 開は、墨の線という最も純粋な表現での描写を選び、水面に沈む陽光の放射の輝きを表現することで、彼女の英知、確かなテクニック、とりわけその正確さ、選ばれた視点や均整感覚の正確さを証明する。
なによりも、建物の石に隠された力、ゴンドラのくぼみ、古ヴェネツィアの総督ドージェが根をはる都市の、塩を含んだ水面、そしてその動きに、強要することなく命を吹き込む様は彼女の能力を示している。
この作品は、その紛れもない成功によってサロン会場を照らしていた。
ユニベール・デザールは、彼女の美しい作品に賞を授与できることを幸せに思う。
ジョセ ティボ
ユニベール・デザール誌編集主幹
寸評者プロフィール
ジョセ ティボ
ジョセ ティボ
美術誌ユニベール・デ・ザール編集主幹
日々、活きたアートに接し培われた確かな目を持ち、同誌ぺリエール編集長の右腕として編集主幹を務める
本サロン会長ジャン・マリ・ザッキ氏、サロン・ドトーヌ会長ルグラン氏、フランス芸術家協会(ル・サロン)からは会長マドレーヌ ブルノー氏。フランスを代表する2大サロンの会長らが、パリ国際サロンで、まさに本場の“サロン”として、熱く美術談義を交わす
ル・サロン作家パスカル氏、マドレーヌ会長
日本の欧州美術クラブとリモートで繋がる関係者ら
他にもドトーヌ副会長スナイデル ローズ氏、名誉会長シルヴィ・ケクラン氏、さらに、名誉会長ドゥラルフ マルティヌ氏、その他2大サロンの部門長や会員作家、パリ画壇の重鎮ら多数が駆け付け、まさに“サロン”の如く、熱く美術談義を交わしながら、作品1点1点を丁寧に鑑賞した。
サロンの重鎮作家クリストフ・ロネル氏
ドトーヌ前会長のケクラン氏と、ル・サロン前会長のドゥラルフ氏
パリの老舗サロンル・サロンでも銅賞を受賞
「ル・サロン2022」にて、獅子堀 開氏は見事【銅賞】も受賞
実績と歴史を持つパリの老舗サロンの評価は、国際作家として認められた証です。
受賞者は既にフランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト「ル・サロン2022」受賞者一覧(Palmarès et médailles)内に名前が掲出されています。
●ル・サロン2022レポートページはこちら
2022年8月国立新美術館 表彰式
代表馬郡よりル・サロンから届いた賞状を授与
グラン・パレ・エフェメール会場
会期中に委員により選出された受賞者はプレートと共に紹介
パリ国際サロン展ページはこちら
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