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パリ国際サロン/ドローイング・版画コンクール 報告

2021年 第34回パリ国際サロン報告 / 受賞者一覧

開放的で明るい空間の会場に展示される日本作品たち

肌寒さの残る4月半ば。すれ違う人々の軽やかなコート姿に「春、遠からじ」と思ったのも束の間、会期数日前より連日快晴!まるで本展開催を祝すかのような爽やかな陽気に心が躍った。
様々な制限下にあるパリジャンもカフェやレストランのテイクアウトを活用し、パリ市の誇る公園や運河沿いでささやかなピクニックを楽しむなど、いつもと変わらぬ人々の様子に安堵を覚えた。

2021年「第34回パリ国際サロン」は、事前のお知らせどおり、パリ市からの要請に応じ、一般来場に関しては特に安全性を配慮し入場制限つきで4月22日(木)より開幕した。
急な決定と通知であったにも関わらず、本展を心待ちにしていたパリジャンらより次々に来場予約をいただき、会期中、多くの愛好家らを迎えることができた。


本展ダイジェスト動画
第34回パリ国際サロン2021
会期:2021年 4月 22日(木)~25日(日)
会場:パリ市3区 エスパス・コミンヌ


本展には実に148名260点(個展部門30名109点、ドローイング・版画コンクール部門26名30点含む)に及ぶ作品が結集。
世界的未曽有の状況下にも関わらず、出品作品の多さと、例年にまして力作ぞろいの作品群に関係者らは次々に賞賛の声をあげた。
また展示風景と展覧会の様子は随時SNSにて配信、公開。残念ながら来場できなかった出品者、鑑賞者はじめ、世界中のアート関係者、愛好家より、多くの反響を頂戴した。
新時代のベルニサージュを開催

本サロン会長 ジャン・マリ・ザッキ氏

会期2日目。金曜日であった4月23日には当初の予定どおり、関係者を中心としたベルニサージュをささやかながら開催した。
欧州美術クラブ代表馬郡文平がSNS等を通じ、日本より出品作家に向け祝辞と感謝の意を述べた。


4月23日日本時間16:30 代表挨拶を配信



挨拶を皮切りに、本展会長ザッキ氏、副会長ロワリエ氏、ユニベール・デザール編集主幹ジョセ ティボ氏が来場。また、サロン・ドトーヌからは会長ルグラン ドゥニ氏、副会長スナイデル ローズ氏、建築部門長ノエル フランソワ氏、事務局ギョワ ポール氏らが駆け付け、関係者らは対話を交えながら作品1点1点、時間をかけ鑑賞した。

その後、ザッキ氏、ドゥニ氏、ロワリエ氏、スナイデル氏、ジョセ氏は出品作家に向けて祝福のスピーチを行い、その様子はインスタグラムにて全世界にライブ配信された。
ザッキ氏からは、「この世界的な苦境のなか筆を止めなかった日本作家に心から敬意と本展開催への祝福を贈る。必ず全作家に伝えて欲しい」と賜った。
スピーチの中で、ロワリエ氏は日本作家の無事と1日も早い再会を願い、ドゥニ氏は8月東京「日本・フランス現代美術世界展」(JIAS日本国際美術家協会主催)、もしくは10月パリ「サロン・ドトーヌ」での対面を望むと述べた。
また、ジョセ氏からも、フランス内外でアート・イベントが不催行を余儀なくされるなかでの本展催行と、作品展示の質の高さに胸打たれたとの言葉が贈られ、スナイデル氏は日仏作家の芸術交流が作り出す相互発展への期待を口にした。
  • 本サロン副会長 ロワリエ氏

  • サロン・ドトーヌ新会長 ルグラン氏

  • 作品1点1点じっくりと真剣に向き合う関係者

  • 時を忘れて美術談義する

現地ミュージシャンの演奏をLIVE配信

クリックするとInstgramでのライブ配信がご覧いただけます

パリで活躍するアーティスト ディノ・クルーンらによるミニコンサートが花を添え、オンラインでのささやかなベルニサージュはフィナーレを迎えた。

ベルニサージュならびに会期中の様子はダイジェストムービーや多くの展示風景写真と共に、今なお欧州美術クラブ公式フェイスブック、インスタグラムで公開されており、日を増すごとに賞賛のメッセージが届いている。
最後に、本展の無事閉幕をうけ、世界的未曾有の事態が1日でも早く収束し、これまで以上の日本・フランス画壇の盛況を心から祈りながらも、距離を感じさせないオンライン配信が融合した新たな展覧会の形が結実した、記憶に残る開催となったことをここに報告する。

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第34回パリ国際サロン ミニ個展部門カタログを動画にしました

入賞作品
大賞

瀬野 清 「老木は生きている」 油彩92.0×81.6㎝

※大賞受賞インタビュー


インタビューはこちら(2021.8.10更新)
ザッキ賞

阿万 孝司 「本庄川」 油彩 60.6×72.7㎝

ロワリエ賞

井上 孝夫 「Cosmic memory-advent」 水彩 103.0×72.8㎝

ギャラリー・デュ・マレ賞

渡部 昇 「HOTEL METRO」 ダンボールにアクリル 103.0×72.8㎝

ユニベール・デ・ザール賞

羽鳥 絹世 「長夜」 日本画 90.0×59.7㎝

※ユニベール・デザール誌編集長パトリス・ド・ラ・ペリエール氏よる寸評は作成中

NEPU賞

べい 米翔 「Autumn Festival in Pointillism」 顔料インク 73.0×60.0㎝

朽名 桐世 「鶴三羽」 織り 51.0×42.0㎝




本賞受賞作家は2022年度NEPU代表作家として、1年間国内外にて広報される
※ホームページ作家インタビューはこちら
優秀賞

河﨑 春代 「刻」 油彩74.0×51.0㎝

成田 雅子 「Red halluciation」 版画 39.4×59.5㎝

大野 興風 「誕生」 墨象57.0×87.0㎝

篠原 文子 「夏山」 油彩 72.7×90.9㎝

獅子堀 開 「十月のHonfleur」 水墨116.7×90.9㎝

高橋 美香子 「茜さす」 ミクストメディア 72.0×91.0㎝

ドローイング大賞

出町 千鶴子 「猫」 水墨 51.0×68.5㎝
(ドローイング・コンクール部門より選出)

= 審査員 = 
ジャン・マリ・ザッキ (パリ国際サロン会長/ル・サロン名誉会長/NEPU会長/レジオン・ドヌール勲章受章)
エルベ・ロワリエ (パリ国際サロン副会長/サロン・ビオレ名誉会長/フランス教育功労章オフィシエ)
パトリス・ド・ラ・ペリエール (フランス美術雑誌 ユニベール・デザール編集長)
ポール・フランス・ルチアニ (ギャラリー・デュ・マレ代表)
*審査アドバイザーとして…馬郡文平(欧州美術クラブ代表/JIAS日本国際美術家協会代表)、馬郡まりこ(欧州美術クラブ会長)
パトリス・ド・ラ・ペリエール氏による展覧会総評
30年以上前、我が「フランスと芸術の偉大な友」、故馬郡俊文によるパリでの「パリ国際サロン」創設から、何と長い道のりだったろう。

多くのコレクターとアート愛好家が注目する、何年にもわたるこの約束された芸術祭のおかげで、大勢の日本人アーティストが、パリのサロンやギャラリーで見出され、賞賛されてきた。

この会場で観ることのできる多種多様の芸術たち…日本画、書、水彩画、デッサン、油彩、アクリル、工芸品。我々にとっては、ここで出会った作品、そこから発せられたインスピレーションを通じ、日出ずる国の慣習と伝統を経験する素晴らしい旅でもある。

今日、この欧州美術クラブの代表を継いだ馬郡文平。
同じく数年前、パリ国際サロン代表をジャン・マリ・ザッキが画家ポール・アンビーユより引き継ぎ、尽力している。両者とも同じ精神をもち、同じ目的に向かい、質の高い芸術交流、豊かなコミュニケーションを維持しながら、この芸術事業を続けている。本来であれば自身で作品を発表し、来場者と交流するために、海を渡り、来廊し、作品について意図やインスピレーションの源などを説明しなければならないアーティストに代わって。

広大な面積を誇るエスパス・コミンヌ。また、協賛画廊「ギャラリー・デュ・マレ」代表ポール・フランス・ルチアニとバタイユ・シリルによる日本作家への多大な支援のもと、本サロンは今回も開催される。欧州美術クラブによって紹介される日本作品をいつものように今年も待ち焦がれる。また、フランスのコレクターに毎回、豊かな印象をもたらす「ミニ個展部門」にも期待が高まる。

この待ちに待った「約束のサロン」で、今年も芸術家と芸術を愛する人々の間でアートの魂が旋回し、期待通り成功を収めることに疑いの余地はない。
パトリス・ド・ラ・ペリエール

美術誌ユニベール・デザール(1994年創刊)の共同創始者兼編集者

-フランス・韓国文化賞(2004年在仏韓国大使館)
-芸術勲章受勲(2005年フランス文化省)
-韓国文化功労翡翠褒賞(2007年韓国大統領)
-《陸軍公認画家》(写真部門)指名(2007年フランス防衛省)
-《芸術-科学-文学協会》ヴェルメイユメダル(2008年)
-パリ市ヴェルメイユメダル(2009年パリ市長)
-仏陸軍公認画家協会会長選出(2013年)、他多数

会期中に配信された、速報ムービー
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