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受賞者インタビュー

第37回パリ国際サロン ユニベール・デザール賞:瀬野 清

瀬野 清「黒い向日葵」油彩 395.0×119.4

2024年3月28日~31日パリ バスティーユ・デザイン・センター、ギャラリー・デュ・マレにて開催された「第37回パリ国際サロン(2024)」で【ユニベール・デザール賞】を受賞された作家へ、ユニベール・デザール誌 編集長ジョセ ティボ氏による特別寸評が贈られました。


第37回パリ国際サロン2024
会期:2024年 3月28日~31日
会場:バスティーユ・デザイン・センター
   ギャラリー・デュ・マレ
  • 受賞した作品展示風景

  • バスティーユ・デザイン・センター

第37回パリ国際サロン2024 「ユニベール・デザール賞」副賞 作品寸評

瀬野 清「黒い向日葵」油彩 395.0×119.4

~寸評~
近年、現代美学を築いた偉大な運動が復活を遂げつつある。これらの運動は、よく言えば使い古され、悪く言えば忘れ去られた後、その真正性を再発見され、今、新たな言語で謳歌している。これらの美学的分野の中でも、広義的な表現主義は、今最も刺激を受けている分野のひとつである。
間違いなく、今の時代の荒廃がその原因である。3月のパリ国際サロンでの瀬野清の作品は、この偉大な視覚文化へのオマージュである。人間が世界を前にして抱く最も生々しい感情の表現に捧げられた彼の世界は、20世紀の偉大な絵画にふさわしいヴィジョンで展開される。
形への愛が、人間の心、精神、魂を引き裂く古くからの葛藤と混ざり合う。
瞑想的なまなざしの波乱に満ちた記録。特に彼の直立した巨大なヒマワリは、観客の注目と批評家の驚嘆を集めた。大地から現れ、黒い太陽の下で空に向かって伸びるヒマワリはそのまなざしで、私たちを見つめ返し、私たちにこう問いかけているようだ:自然はそこにあり、あらゆる弱さと矛盾を抱えた人間に立ち向かっている。
力強く描かれたそのイメージは、私たちを魅了し、混乱させ、私たちの心の奥深くに留まる。それは叫びのように心に響く。ヒマワリは私たちが耳を傾けるまで諦めない。その叫びは太古の詩的言語で表現されるものであり、人間が現実という織物の中で自分の居場所を切り開こうとしながら、絶え間なく解読していく運命にある言語である。真のアーティストの仕業を魅せる偽りのないキャンバスである。




ジョセ ティボ
ユニベール・デザール誌編集長

JOSSET Thibaud
Rédacteur en chef du Univers des Arts

ミニ個展部門にも出品した瀬野氏の作品

寸評者プロフィール ジョセ ティボ

ジョセ ティボ

ジョセ ティボ
美術誌ユニベール・デ・ザール編集長
日々、活きたアートに接し培われた確かな目を持ち、パトリス・ド・ラ・ぺリエール前編集長の遺志を引き継ぎ現在編集長を務める
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