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受賞者インタビュー

2024年 第37回パリ国際サロン 大賞:渡部 昇
2024年3月28日(木)~31日(日)バスティーユ・デザイン・センターにて開催された「第37回パリ国際サロン」にて大賞受賞された渡部昇氏へのインタビューです
2024年第37回パリ国際サロン 大賞受賞インタビュー

渡部 昇「Petit Palais」ダンボールにアクリル絵画72.8×103.0

インタビュー
この度の大賞受賞について、率直な感想をお聞かせください
少しモチーフは平凡かな?と感じていましたが、それが一昨年に続き、今回もまた大賞を頂けるとは思ってもいなかったので、驚きと嬉しさで一杯です!

ありがとうございました!
  • 賑わうパリ国際サロン会場

  • バスティーユ・デザインセンターにて

受賞作品「Petit Palais」の制作時に特に工夫された点や気をつけた点があればお聞かせください
パリ国際サロンのミニ個展の為、2019年初めてパリに行き、早朝セーヌ川を散策した時に撮影した写真をモチーフにしました。

重厚な建物と、ガラスに映り込んだ朝焼けのコントラストがとても印象的で、制作する際、モノトーンで如何に表現出来るか、ブラックとホワイトのバランスを意識し、特にガラスの部分は、ホワイトの濃淡に気を使いました。建物は、迫力ある構図にしたかったので、敢えて上部を切り取りました。

また私の作品の特徴でもあるダンボールの波をどの部分にしようか?色々と考えた結果、階段と地面に使用。階段は幅も上手い具合に合い、しっくり馴染んでいい感じになったかと思います。
ダンボールを使った作品を創作していらっしゃいますが、何故ダンボールを使って作品を作ることになったのかきっかけを教えてください
40年程前、フリーのイラストレーターをしていた時、オリジナルの作風を模索していました。

その頃、近所の工場にダンボールのシートがたくさん平積みされてあり、直感で「これに絵を描いたら面白そう!」と感じ、絵を描いたのがきっかけです。
因みに、何度か公募展に出品しましたが、全て落選でした!
  • 渡部氏の作品前で足を止める来場者

  • マレ地区ギャラリー・デュ・マレ

上紙をはがす手法で作品に立体感が生まれていますが、この手法はどのようにして生まれたのですか?
諸事情でしばらく絵を描いていませんでしたが、8年程にまた絵が描きたくなり、ダンボールの絵を再開!
最初は上紙を剥がさずに描いていましたが、失敗した部分を修正しようと色々やっている時、たまたま上紙が剥がれ波の部分が露出!
「これいいかも!」と意図的にカッターを入れ、剥がしたのが現在のスタイルの始まりです!
この技法を使うようになって、それまでの作風から一気に幅が拡がりました!
日々、特に研究や探究を続けていることがあれば教えてください
私の作品はNYがメインですが、全て自分で撮影した写真をモチーフにしています。
観光写真のような場所なら、ネットで検索すれば幾らでもありますが私の場合、実際その場所に行かなければ気付かないような、何かパッと感じる閃きを大事にしています。
その為、地下鉄に乗り、裏通りなどを散策しながらアイデアの探究をしています。
  • N.Yにて

新たに挑戦されている作品や、今後のテーマなどがあればお聞かせください
今後も、以前からのテーマ「音を視覚的に表現する」をNY、パリをモチーフに制作するつもりです!
まだ漠然としたアイデアですが、ダンボールのコラージュも考えています。

それと、2024年開催の「第25回日本・フランス現代美術世界展」に展示された「NY地下鉄のジオラマ」をシリーズで展開。平面と立体、並行して制作する予定です!
  • 第25回日本・フランス現代美術世界展

  • 平面と同時に展示された立体

普段の制作時間、1日のルーティンなどを教えてください
朝食後、大体8:00頃から夕方まで、昼食を挟んで8〜10時間程制作します。
夜はゆっくり映画や音楽を楽しみたいので、制作は夕方で終えますが、気分が乗っている時、アイデアが閃いた時などは、食事後また制作する時もあります。

製作中は引き篭もりがちになるので、制作の頃合いを見て週に2度ほど、近場の川沿いを1時間位のサイクリングで気分転換しています。
  • アトリエ

  • 展示作品を興味深く覗き込む来場者

これから海外展や国際公募展へご挑戦される、または挑戦するか迷っている作家様へご自身
の経験をふまえてメッセージがあればお聞かせください
一歩出なければ何も始まりません!まずは出品する事です!そこからがスタートです!
今後の抱負や、近年の活動をお聞かせください
大賞の副賞として頂いた、2025年8月開催の「第26回日本・フランス現代美術世界展2025」壁面8mの展示に向けて絵画4~5点と立体作品を同時進行で制作。
全て新作!

色々とアイデアがあるので、1点でも多く制作出来ればと思います。
プロフィール 渡部 昇/WATABE Noboru
<画歴>
2017 ART & MODEL 横浜市 ラウンドマークタワー
2017 パリ国際サロン ドローイング・版画コンクール部門出品
2019 パリ国際サロン ミニ個展部門出品
2019 フィンランド美術賞展 ミニ個展部門出品
2019 日本・フランス現代美術世界展 推薦部門出品
2020 パリ国際サロン 受賞招待出品
2020 日本・フランス現代美術世界展 受賞招待出品
2021 パリ国際サロン ミニ個展部門出品
2021 スペイン美術賞展 ミニ個展部門、推薦部門出品
2022~2024 パリ国際サロン 受賞招待、ミニ個展部門出品
2023~2024 日本・フランス現代美術世界展エスパス・プリヴェ出品
2024 「NYアート公募展」準優秀賞 NYのギャラリーで展示

<受賞歴>
2016 三軌展 絵画部門 特別賞
2017・2018 三軌展 絵画部門 入賞
2017 パリ国際サロン 優秀賞
2019 三軌展 絵画部門 新人賞
2019 パリ国際サロン ユニベール・デザール賞
2019 日本・フランス現代美術世界展 NEPU賞
2021 パリ国際サロン ギャラリー・デュ・マレ賞
2021 日本・フランス現代美術世界展 日仏賞
2021 スペイン美術賞展 優秀賞
2022 パリ国際サロン 大賞
2023 パリ国際サロン NEPU賞
2023 TOKYO世界展パリ 準大賞
2023・2024 日本・フランス現代美術世界展NEPU賞
2024 パリ国際サロン大賞
2024 日本・フランス現代美術世界展準大賞・ザッキ賞
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