エコール絵画研修報告
2011年はフランスイル・ド・フランス地方にあるモレ・シュール・ロワンにて開催。
2011年はフランスイル・ド・フランス地方にあるモレ・シュール・ロワンでの研修
長きに渡って故アンビーユ氏の協力のもと開催されていたエコール。
アンビーユ氏のご逝去に伴い、暫く中断していた欧美の絵画研修 エコールが、2011年より新たなる絵画研修「フランス・エコール」としてスタート。
2011年の第1回目はフランスのイル・ド・フランス地方にあるモレ・シュール・ロワンで5月22日(日)から6月1日(水)まで催行された。
研修地について 印象派が愛した水辺の風景
研修地のモレ・シュール・ロワンはパリから車で2時間程のところにある、印象派画家シスレーが愛した町として知られる。
歴史的には中世の時代からフランス王国とブルゴーニュ公国の国境の町として 栄えた。
その頃に建てられた城塞や当時の主要工業であった革のなめし業に使われた水車小屋は、数世紀たった今も残されている。
変わらない美しい水辺の風景
趣のある街角の風景が創作意欲を刺激する
欧美を支える2講師による贅沢な研修
パレットの使い方や絵の具の練り方なども披露
今回の研修は、欧州美術クラブとも特に関係の深い仏人作家を講師として迎えた。
23日〜25日をサロン・ドトーヌ会員であり、エコール・ポリテクニークで教鞭をとるエルヴェ・ロワリエ氏、27日〜29日をル・サロン名誉会長であり、フランス海軍画家としても活躍するジャン・マリ・ザッキ氏が担当し、講習を行った。
師のテクニックを間近で体感
両講師とも初日にはデモンストレーションを行い、作家達は熱心にメモをとっていた。
古い中世の建物がそのまま残された街並、シスレーの家、5月の緑あふれるロワン川沿いは、作家にとって最良のスケッチポイントになった。
26日には気分転換も兼ねて、バスでパリへ。
オルセー美術館等を見学し、帰り途中にはバルビゾンに立ち寄り、ミレーのアトリエ等を見学した。
全体を通じて晴天に恵まれ、時には汗ばむ陽気であったが、参加作家は合計6日間、集中して制作に打ち込んだ。
そんな熱心な日本人作家にこたえるように両講師とも一人一人を丁寧にまわり、時には自ら筆をとってアドバイスをしていた。土日には、散歩している町の住人や観光客も、作家達の制作風景を興味深げに足を止めて見守っていた。
研修の最後は暖かい寸評がおくられた
最終日30日には、川のほとりで両講師による寸評会が行われた。「どの作家も研修を通じてのすばらしい進歩がうかがえる」と、暖かい言葉が各作家に送られた。
1週間程度という短い期間ではあるが、参加者にとってはかなり密度の濃い、実りある研修になったことだろう。
来年のエコールは水面下で企画進行中である。乞うご期待!