エコール絵画研修報告
2012年はフランス北西部ブルターニュ地方に位置する、モルビアン県ヴァンヌ市にて開催。
2012年はブルターニュ地方 モルビアン県ヴァンヌ市での研修
2012年度フランス絵画研修は、6月27日(水)から7月8日(日)までフランス北西部ブルターニュ地方に位置する、モルビアン県ヴァンヌ市にて行われた。
豊かな自然と独自の文化をもつことで知られるブルターニュ。
ピンクの花崗岩の海岸や、ケルト文化が色濃く漂う街並が印象的だ。
ヴァンヌ市は2010年「第41回フランス美術賞展」の開催地となった場所である。
この美しい街での絵画研修開催は当時からずっと温められていた企画であり、2年の時を経てヴァンヌ関係者の協力によってついに実現に至った。
現役で活躍するブルターニュの2人の講師
今回講師として迎えるのは、ヴァンヌを拠点に活躍する画家ブリュノ・ピロルジェ氏とジャン=クロード・クロソン氏。(講師プロフィールはこちら)
両氏ともカルネティストとして旅スケッチを多く発表し、デッサンを熟知している。
2人とも生粋のブルトン(ブルターニュ人)らしく、真面目で勤勉、今回参加の研修生1人1人に丁寧に指導をしている姿が印象的だった。
ブリュノ・ピロルジェ氏
ジャン=クロード・クロソン氏
いよいよ研修がスタート
スピード感あふれる筆ペンを使ったスケッチ
研修はまずヴァンヌの街からスタート。
町中を取材し、ポン・タヴェン派の絵を要するドワイエン・ギャラリーを見学後、大聖堂を臨むアンリ4世広場にて、まずピロルジェ氏が自由でスピード感あふれる筆ペンを使ったスケッチを披露。これからはじまる新しい研修の始まりにそれぞれの胸が高まる。
ヴァンヌ旧市街のシンボル的レストラン
ヴァンヌの町の人も足を止めて研修生の制作を見守っていた。
中には2010年の展覧会に足を運んだという人もおり、「また戻ってきてくれてうれしい」と声をかけてくれる人もいた。
モルビアンの美しい風景にもチャレンジ
今回の研修はヴァンヌ市内だけでなく、「ブルターニュの美しいスポットをたくさん描いてほしい」という講師の意向もあり、ヴァンヌから更に足を伸ばし
“オーレー”“アラドン”“サンタンヌ・ドーレー”を訪れ、スケッチに励んだ。
オーレーでは中世の面影残る港町を、アラドンではブルターニュ特有の少し赤みがかった砂の海岸を、サンタンヌ・ドーレーではブルターニュの守護聖人アンヌが祀られている教会をスケッチ。
途中ピロルジェ、クロソン両氏のアトリエに訪問する事ができた。
現役で活躍するプロの画家の生活を肌で感じ、研修生達は多いに刺激を受け、更に意欲がわいてきたようだ。
研修の最後は暖かい寸評がおくられた
最終日はヴァンヌにて寸評会を行い、1人1人にピロルジェ・クロソン両氏より温かい寸評が送られた。
1週間という短い期間ではあったが、研修は終始笑顔にあふれ、和やかな雰囲気で行われた。変わりやすいブルターニュの天気をもろともせず常に集中して制作に取り組む研修生の姿勢には、講師2名とも感銘を受けたようだ。
講師も研修生も同じアーティストとして学び合い、吸収し合い、非常に実りの多い研修になったのではないだろうか。
またヴァンヌでの再会を約束して、今回の研修は終了した。