日本・フランス現代美術世界展関連
第10回 日本・フランス現代美術世界展展覧会報告 / 入賞者一覧
1996年東京大森での第1回展を皮切りに中国、スペイン、ドイツ、オランダ、ベルギー、日本にて開催されて来た日本・フランス現代美術世界展の第10回は、去る2009年1月16日(金)〜18日(日)の3日間に渡り、世界に類を見ないユニークなモダン建築として名高い青山のスパイラルガーデンで開催された。
アトリウム 展示風景
建物の由来ともなった上昇するスパイラル状のスロープが美しい円形空間”アトリウム”
2008年の東京国際フォーラムから2005年以来4年ぶりに会場場所を移しての開催となった本展には、公募及び推薦により選出された邦人作家170名の187点、外国作品ではフランス30名30点、アメリカ 7名 9点の出品作家を中心に、スペイン、イタリアの4ヶ国55名65点の外国作品が集まり、芸等多種多様な技法作品、全212名238点が紹介された。
まずは建物の由来ともなった上昇するスパイラル状のスロープが美しい円形空間“アトリウム”。
この展示場所では湾曲と直線が美しい線を描き、天窓から差し込むダイナミックな陽光の中、通常の美術館とは異なる新しいアートとの出会いを来館者へ提供した。
油彩・アクリル・水彩・版画・日本画・書・染色・墨象作品等の作品が柔らかな円を描く湾曲する空間の中、個性的に披露された。
天窓から差し込む太陽光にダイナミックに照らし出される作品
スペース・スタンドによる直線的な展示と、柔らかな円を描く湾曲が融合した個性的な空間
油彩・アクリル・水彩・版画・日本画・書・染色・墨象作品等の邦人作品
個性豊かな空間が、通常の美術館とは異なる”アートとの出会い”を来館者へ提供した
ギャラリースペース 展示風景
エントランスから館内に入るとまず来場者の目を奪ったのが、スパイラル独自のオープンな空間構成の こちら“ギャラリースペース”であった。
邦人の平面作品のスペース・スタンドによる展示、立体・工芸作品の展示風会
階下のカフェと複合したスペースにはフランスをはじめアメリカ、スペイン、イタリアの気鋭作家作品、邦人の立体、工芸作品及び絵画作品が展示され、まるでカフェから観客が舞台を観ているかの様な錯覚に陥る展示風景であった。
フランスサロン作家作品をはじめアメリカ、スペイン、イタリアの気鋭作家作品が展示された
エスプラナード 展示風景
エントランスから右手、青山通りに面する大階段上のスペース“エスプラナード”では、主に日仏を中心とする芸術作品を鮮やかに浮き上がらせた。
水辺の遊歩道の意を表す名「エスプラナード」は開放的な空間となっていた
主に日仏を中心とする芸術作品を鮮やかに浮き上がらせた
一面の大ガラスから自然光が降り注ぎぐ空間は、水辺の遊歩道の意を表す名の通り開放的な空間となっていた。
全出品作品全238点は、近代の現代建築と自然光の融合する美しい空間の中3日間にわたり展示され、訪れた多くの来館者、美術愛好家を楽しませた。
展覧会 ウェブアルバム/Online Album
展覧会 展示風景
ギャラリースペース(Gallery space)展示風景
エスプラナード(Esplanade)展示風景
展覧会関連イベント
アメリカ講演会-American Seminar
レセプション-Opening Reception
寸評会-Comment
第10回 日本・フランス現代美術世界展 関連イベント
アメリカ講演会
展覧会初日の16日(金)には、同館内8階のラウンジアンクルハットにて、次回美術賞展開催地のテネシー大学より、美術学校長サミュエル・A・イエイツ氏の「アメリカ現代美術の講演会」が催された。
アメリカ美術賞展出品を考える作家が熱心に講演に耳を傾けた。
オープニングレセプション
1月16日(金)14:00より、8階のラウンジ アンクルハットにて多くのご来賓をお迎えし、第10回日本フランス現代美術世界展のオープニングレセプションが開催された。
レセプションには本展の後援にご協力を頂いた、在日フランス大使館より文化アタッシェ担当官エレーヌ・ケルマシュター女史による祝辞に始まり、
在日ロシア連邦大使館参事官レオニード・A・ガムザ氏、サミュエル・A・イエイツ氏、パリ画廊のオーナーで日仏露の芸術文化交流事業に貢献しているアナ・フィリモノヴァ女史、ロシア連邦通商代表部ヴァシリチコヴァ・エフゲニー氏、アメリカ人画家で陶芸家のデビッド・カスナー氏、本展の各協賛会社、欧州美術クラブ/JIAS代表 馬郡俊文が列席し本展の開催を祝した。
左よりご祝辞を賜った在日フランス大使館文化アタッシェ担当官 エレーヌ・ケルマシュター女史、在日ロシア連邦大使館参事官 レオニード・A・ガムザ氏、テネシー大学美術学校長 サミュエル・A・イエイツ氏、パリ画廊オーナー アナ・フィリモノヴァ女史、ロシア連邦通商代表部 ヴァシリチコヴァ・エフゲニー氏
(左下)左より高田墨山氏、欧州美術クラブ/JIAS代表 馬郡俊文 アメリカ人画家で陶芸家のデビッド・カスナー氏
訪れた約150名の出品作家と美術関係社は各国の芸術作品を前に交歓し、出会いを楽しむ盛大な会となった。
寸評会
1月17日(土)にはサミュエル・A・イエイツ及びデビッド・カスナー両氏による「寸評会」が開催され、通訳を介して出品作家一人一人にじっくり丁寧にアドバイスを語りかけ作家達を励ました。
デビッド・カスナー氏、サミュエル・A・イエイツ氏
三日間に渡り芸術による異文化交流を果たした本展は、出品作家、及び来場者の確認の下、大変好評を博し閉幕した。
第10回日本・フランス現代美術世界展 入賞者一覧
大賞
大賞:筒井 義明「ウツシオミ’08」油彩、72.7x50
日仏賞
日仏賞:福岡 洋介「爽」工芸、100x72.7
日仏賞:高島 剛 「うさぎ日和」油彩、115×95
パリ国際サロン賞
パリ国際サロン賞:大山 芳園 「魂」前衛書、70x55
ドローイング賞
ドローイング賞:金 俊皓 「私が願う世の中」彫刻、73x103
ラセーヌ賞
ラセーヌ賞:
「時空をこえたバラI」油彩、53x45.5
「時空をこえたバラII」 油彩、45.5x53
墨象賞
墨象賞:永名 二委 「奔流」水墨、110x92
墨象賞:高田 墨山「冬窓」前衛書、140x80
優秀賞
優秀賞:青山 繁「騒がしい」油彩、64x75
優秀賞:梶田 幹穂「出雲の神話」水墨、100x73
優秀賞:中瀬 千恵子「もうひとつの空」油彩、100x72.7
優秀賞:沖田 利紀「平和への願い」彫刻、31.5×31×35
審査員
●ポール・アンビーユ 本展名誉総裁 (ル・サロン名誉会長)
●ジャン・マリ・ザッキ 本展フランス側名誉会長兼運営委員長(ル・サロン名誉会長)
●馬郡俊文(欧州美術クラブ・JIAS日本国際美術家協会代表)
特別審査員(2009年第39回アメリカ美術賞展関係者)
●サミュエル・A・イェイツ(テネシー大学美術学校校長/教授)
●デヴィッド・カスナー(画家・陶芸家)
副賞
大賞:賞金50万円及び2009年「パリ国際サロン」個展部門出品招待
※作品5点出品。個展カタログ作成。月刊「美術の窓」で作品紹介。
日仏賞:次回日仏現代美術世界展出品招待。月刊「美術の窓」で作品紹介。
パリ国際サロン賞:2009年パリ国際サロン出品招待。月刊「美術の窓」で作品紹介。
ドローイング賞:2009年ドローイング・デッサン・版画コンクール出品招待。月刊「美術の窓」で作品紹介。
ラセーヌ賞:絵画展示/鑑賞用オリジナルイーゼル「スペース・スタンド」贈呈
★ 表彰式は2010年1月に東京で行う予定です。授賞者には後日詳細を改めてご連絡致します。
特別賞 09年日本・フランス現代美術世界展協賛(敬称略/abc順)
●マイメリ社日本総代理店、株式会社大日本美術工芸
【マイメリ賞】4名「マイメリクラシコ画箱セット」
國米弘子 「LANDSCAPE 0822」
是木英山「泉にて」
小野功夫「巴里薄暮」
清水純子 「まど」
●株式会社 クサカベ
【クサカベ賞】水性アルキド樹脂絵具/アキーラ18色セット
船田春光 「Aimer sans demander en retour」
鈴木新 「モノトーンの街並」「苔むした庭」
● 船岡キャンバス製造元、日本画材工業株式会社
【フナオカ賞 フナオカキャンバスF NO2 10m 1本】
筒井義明 「ウツシオミ’08」
【フナオカ準賞 フナオカキャンバスA F100号1枚】
冨美七朗 「対話」「秋の日ざしを受けて」
【フナオカ準賞 フナオカキャンバスB F100号1枚】
来田史朗 「ドレミのド」
【フナオカ準賞 フナオカキャンバスF F100号1枚】
池澤康夫「オホーツク讃歌2008」
●株式会社 生活の友社 美術の窓
【美術の窓賞】2名 月刊「美術の窓」が半年分
狩野恭子 「想う」
野沢久美 「望み」
*協賛各賞につきましては特別賞として2009年1月16日の表彰式にて発表、副賞授与致しました。