受賞者インタビュー

ユニベール・デザール賞：渡部　昇 「midnightⅡ」 アクリル 72.8×51.5

「midnightⅡ」 アクリル 72.8×51.5

第32回パリ国際サロン「ユニベール・デザール」賞受賞による副賞＜作品寸評＞

これから幕を開ける探偵映画の世界に誘うような美しさ

ダンボール上に描かれた、ニューヨークを想起させるアクリル3作品。
光と影、白と黒による表現効果を駆使して、WATABE Noboruは我々に都市の摩天楼の神秘を魅せてくれる。エンパイア・ステート・ビルが夕闇に包まれる頃を描いた『Sunset』、そして『9TH st.』、『midnightⅡ』。
いずれの作品も同じ表現効果、力強さを感じさせる。
とりわけ各作品の内に帯びる輝きを見逃すことはできない。
シンプルなコンポジションにも拘わらず、まるで、これから幕を開ける探偵映画の世界に誘うような美しさ。たいへん素晴らしい。また、「人物の不在性」が更に力を添える。
このアーティストのもつ版画的表現テクニックの高いクオリティは、WATABE Noboru作品に奥深さをもたらしているのだろう。

同時に今回、「ユニベール・デザール賞」を贈る機会に恵まれたことを、心より嬉しく思う。
新しい出会いとはどんな時も幸せなものだから。

パトリス・ド・ラ・ペリエール
ユニベール・デザール誌編集長

パトリス・ド・ラ・ペリエール経歴

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