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受賞者インタビュー

第21回日本・フランス現代美術世界展 大賞:國米 弘子

2020年8月6日(木)から16日(日)国立新美術館3A3B「第21回日本・フランス現代美術世界展」大賞の受賞インタビューです。

大賞作品

人生老いと共に抽象画を描くことが向いているような気がします

第21回日本・フランス現代美術世界展 大賞:國米 弘子 「Landscape 0923」 アキーラ 80.3×100.0㎝

受賞者インタビュー 第21回日本・フランス現代美術世界展 大賞:國米 弘子

まずはこの度の受賞の感想をお聞かせください
コロナ禍真っ只中での展覧会だったので、先ず国立新美術館が開館されるかどうか.....で、賞のことは全く頭の中になかったです。
受賞の知らせを頂いてから、そのことを初めて思い出しました。
嬉しかったです。
1993年のJIAS国際展(セントラル美術館)から出品し、世界展の第1回展となる大森ベルポートアトリウムに出品。
現在に至る迄の出来事を思い、感無量でした。
本作品を製作することになったきっかけや、制作時に工夫した点、気を遣った点などあれば、お聞かせ下さい
横浜の外国人墓地近くで見た木の絡み具合に引かれて撮った写真がきっかけとなりました。
実際はもっと細い曲線の枝の絡みだったと思います。
干し網を画面に入れたのは、昔網代や鄙びた漁村に出かけてよく描いていたことを思い出したからです。
ここ10年くらいは、画面の中で思い出の風景を組み合わせることが多いです。
干し網の中に、別のテーマである「夜間飛行」から俯瞰の街の灯を金色で小さく入れています。
これは私の遊びです。

今回出品に当たり、以前描いた作品に加筆して完成させました。
白い木は、アキーラと油彩具を何回も重ねて白さを強調しました。
ご自身の制作の方針はどのようなものでしょうか? また普段の制作において、心がけている事を教えてください。
テーマが決まれば、魅力ある画面構成が出来るまで、ラフスケッチを重ねます。
納得が行けばキャンバスに向かいます。
描き始め、描き込み、仕上げへと進めます。
(色彩、マチェールに配慮しながら)
  • 同展エスパス・プリヴェ作品より

  • 同展エスパス・プリヴェ作品より

近年手掛けているテーマがあればお聞かせください
人生終末に入って、画面の中に思い出の風景を入れることが多くなりました。
教室での指導で、ダンボールによるエスキース作りから始める抽象画の描き方が楽しい。
最近思うのですが、人生老いと共に抽象画を描くことが向いているような気がします。
  • ダンボールによるエスキース作り

  • 展示風景

研究されている技法はありますか?
1953年から柳亮氏に黄金分割を学んだことが、以来制作上の基本となっています。

絵具にアキーラを使うようになって、進行が楽になりました。
(冬でも20分くらいで表面が乾くので)
国内外問わずこれからの展望、今後の抱負を教えてください。
病気と縁のなかった私が、83歳でギランバレー症候群を発症し、10ヶ月の入院生活を経験、現在もリハビリ中です。
50年続ける絵画教室で生徒の絵を見るのが楽しい。
今後は体力と相談しながら気の向くまま....という思いです。
  • 自身の教室にて

  • 生徒の絵を見ることが楽しみ

影響を受けた人、アーティストは?
柳 亮(美術評論家)講座に通って黄金分割を学ぶ
河野 磐(洋画家)中学以来の恩師
  • お教室風景

  • お教室風景

略歴・プロフィール

國米 弘子 KOKUMAI Hiroko
1933 岡山生まれ
1953 女子美術大学入学後 美術評論家の柳亮氏を知り、門下生となる
1970 文芸春秋画廊にて第1回個展。以後26回個展開催
1991 ル・サロン展に「夜間飛行」初出品
1993 JIAS国際展(セントラル美術館)に出品
〃   フランスにてポール・アムビーユ氏の絵画エコールに参加
1996 第1回日本・フランス現代美術世界展(大森ベルポートアトリウム)に出品
   以後同展出品 現在に至る

その他
・サロン・ドトーヌ各種美術賞展など多数出品

JIAS日本国際美術家協会会員
フランス芸術家協会会員
パリ国際サロン創立会員
“匣<はこ>の会”主宰

受賞展展ムービーより

会場で行われた作家インタビュー動画より

(36:42より)

2020年8月6日(木)から16日(日)まで国立新美術館にて開催された「第21回 日本・フランス現代美術世界展」の模様はこちら