ル・サロン報告
「2023ル・サロン」展覧会報告(第233回)
会期を通じて約30,000人が来場したパリ グラン・パレ・エフェメール会場
2月14日(火)、冬晴れの空の下、本年の会場であるグラン・パレ・エフェメールの入口には来場者が列をなし、15時の開場を待っていた。この日は、出品者および関係者向けの招待制ベルニサージュ。招待状を片手に待つ人々の様子から、この年に1度のアートの祭典を心待ちにしていたことが伝わってくる。こうして今年も、多くのアーティストや愛好家の期待と祝福を受けながら、「第233回 ル・サロン2023」の幕が上がった。
開催概要
展覧会:「第233回 ル・サロン2023」
会期:2023年 2月14日(火)~19日(日) *14日はベルニサージュ
会場:パリ グラン・パレ・エフェメール(シャンド・マルス公園)
主催:フランス芸術家協会
アフタームービー
確かな目を持つ審査員によって選ばれた600点超の作品が来場者を迎える
来場者で混み合う会場内
会場に入ると、まず右手に「LE SALON」のロゴが配された赤い看板が目に入る。その先には、世界の様々な国から寄せられた応募作品の中から、確かな目を持つ審査員によって選ばれた600点超の作品が来場者を迎える。確かなテクニックをもつアーティストによる渾身の作品が、変化に富んだ配置の壁やブースに表情豊かに並ぶ様は壮観である。
「ル・サロン」の展示エリア入口は赤いロゴが目印
通算、約30,000人が来場
賑わう場内では、あちこちで「おめでとう!」の祝福の声、熱心に自身の作品について語る声が聞こえてきた。作品の前で立ち止まり、隅々までじっくりと鑑賞する人、気に入った作品と一緒にカメラにおさまろうと人流の切れ目を待つ人。それぞれが、各々の楽しみ方でサロンを堪能していた。
ベルニサージュ(前夜祭)には8,000人、会期を通じて30,000人が来場
ベルニサージュ途中、フランス芸術家協会(ル・サロン)マドレーヌ ブルノー会長が忙しい合間をぬって合流。はるばる日本から来場した作家らの出品と来場に対し、感謝の言葉を贈った。また、同協会名誉会長ジャン・マリ・ザッキ氏も、来場した日本作家に挨拶したいと、作品を前に作家らと言葉を交わし、全ての日本作品ひとつひとつをじっくり観覧した。
日本作家の作品の質の高さを称賛する
フランス芸術家協会(ル・サロン)マドレーヌ ブルノー会長会場で交流を図る日本作家と名誉会長ジャン・マリ・ザッキ氏
そこかしこで美術談義が交わされた
翌日からの一般会期以降も来場者は絶えることはなく、会場は連日賑わいをみせた。ベルニサージュを含む6日間の会期を無事に終えた本展は19日(日)、惜しまれながら閉幕。会期前から年金制度改正に関連するストライキが頻発していたフランスだったが、幸いにも懸念されていた大きな影響を受けることなく、ベルニサージュ当日には8,000超の人々が来場、会期を通じて約30,000人が会場を訪れた。
会期後、マドレーヌ会長は、「この2023年のル・サロン展は一般の来場者の方、マスコミ関係の方、そしてアート界の著名な方々から高い評価を得ている。これにより『今日のアーティストを発掘し、幅広い層の観客へと届ける』という本展の主旨を確かに裏付けるものとなった。それ故に、開催期間を通じて、グラン・パレ・エフェメールの通路には特別な雰囲気が漂っていた」とのコメントを発表した。
また、マドレーヌ会長から日本作家に向けて「日本作家の作品が、本展を高質なサロンとして維持することに貢献していることは確かである。国際公募展への応募に躊躇する方もいらっしゃると思うが、ぜひ、今後も挑戦を続けてほしい。皆さんの新しい作品を発見できることを心から楽しみにしている」との言葉を賜った旨、併せて報告する。
ジャン-ミシェル ウィルモ氏建築による木製アーチが美しい会場
ライトアップされたグラン・パレ・エフェメール
会場内の特設カフェも連日賑わいを見せた
フランス芸術家協会主催の本展(ル・サロン)は「アール・キャピタル」という統合サロンとして、例年、コンパレゾン、デッサン・水彩サロン、アンデパンダンと共に4サロン合同で開催される。今回も会場には合計2,000名を超えるアーティストの作品が展覧されており、多くの来場者が会場内の特設カフェで休憩を取りながら、時間をかけて作品との出会いを楽しんでいた。開放的なカフェの窓からは、パリのシンボル、エッフェル塔が見える。昼間は足下に緑の芝、頭上に青い空が広がる爽快な姿、夜にはライトアップされた幻想的な姿、時間を変えて二つのパリの景色を楽しむことができるのも、本会場の魅力の一つとなっている。
1名が銅賞(MEDAILLE DE BRONZE)を受賞!
桃山 三 「禅 - 縁」ミクストメディア 79.0×99.0
桃山 三 氏が見事【銅賞】を受賞。
「ル・サロン2023」にて欧州美術クラブより出品の桃山 三(MOMOYAMA Soo)氏が「銅賞」を授賞。
実績と歴史を持つパリの老舗サロンの評価は、国際作家として認められた証です。
受賞者は既にフランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト「ル・サロン2023」受賞者一覧(Médailles et Prix Privés 2023)内に名前が掲出されております。
*フランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト
1名が『MENTION』に選出!
昨年に続き本年も欧州美術クラブを介して出品した作家より1名が『MENTION』に選出された旨、連絡をうけた。
<MENTION>
中村 弘道 NAKAMURA Hiromichi 「退屈な昼下り刻 ・ Marrakech」油彩 90.9×116.7
*メンションとは、今後の入賞(金・銀・銅・優秀賞)候補として、ル・サロンを運営するフランス芸術家協会(ル・サロン事務局)が認識した旨を表する奨励賞の位置付け。
既にフランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト「ル・サロン2023」受賞者一覧(Médailles et Prix Privés 2023)内に名前が掲出されている。
*フランス芸術家協会(ル・サロン)公式サイト
Facebookアルバムより展示風景が見られます
「第233回 ル・サロン2023」の展覧会アルバムはこちらからご覧いただけます!