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受賞者インタビュー

第36回パリ国際サロン ユニベール・デザール賞:片野 栄子

2023年 2月 9日(木)~12日(日)パリのエスパス・コミンヌ、ギャラリー・デュ・マレにて開催された「第36回パリ国際サロン(2023)」で【ユニベール・デザール賞】を受賞された作家へ、ユニベール・デザール誌編集主幹ジョセ ティボ氏による特別寸評が贈られました。


第36回パリ国際サロン2023
会期:2023年 2月 9日(木)~12日(日)
会場:パリ市3区 エスパス・コミンヌ
         ギャラリー・デュ・マレ

  • 受賞した片野 栄子氏の作品展示風景

  • ジョセ ティボ氏らによる審査風景

ユニベール・デザール賞:片野 栄子「広瀬集落・冬」版画 59.3×41.4cm

現代アートの創作における最も情熱的論点とは、既知の方法を用いつつも、その時代に囚われることなく、新たな事象を生み出すアーティストの能力である。2023年のパリ国際サロン開催の折、エスパス・コミンヌを訪れた私たちは、即座に片野 栄子の版画に目を奪われた。


青みを帯びたグレーの濃淡、西洋の版画作品では見ることの少ない縦長のフォルム。そして何よりも、現代的でありつつも、一切の作為を感じさせない画面構成。この作品は、彼女の視点の聡明さ、その可能性を最大限に引き出した光景から得られる視覚的な深さによって観る者に感動を与える。開放感、静けさ、そして自然の力強さをより効果的に表現するために、作品の中心部に呼吸をさせたこと。版画のテクニックがこれほど上手く活かされ、その基礎が見事に理解された上で表現されていることに喜びを感じる。そのすべてが、観る者をこの隔絶された谷間の風景の前での黙想へと誘う。


さらに、一見しただけでは説明することのできないその質感表現は、古典的アプローチと現代クリエーターの視覚的探究を見事に融合させている点において、深く分析するに値する。
そのコンセプチュアルかつフォーマルな美しさから、本作は間違いなく、本展の中で最も心を奪われた作品である。



ジョセ ティボ
ユニベール・デザール誌編集主幹

寸評者プロフィール ジョセ ティボ

ジョセ ティボ

ジョセ ティボ
美術誌ユニベール・デ・ザール編集主幹
日々、活きたアートに接し培われた確かな目を持ち、同誌ぺリエール編集長の右腕として編集主幹を務める

他にもドトーヌ副会長スナイデル ローズ氏、名誉会長シルヴィ・ケクラン氏、さらに、名誉会長ドゥラルフ マルティヌ氏、その他2大サロンの部門長や会員作家、パリ画壇の重鎮ら多数が駆け付け、まさに“サロン”の如く、熱く美術談義を交わしながら、作品1点1点を丁寧に鑑賞した。

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